こんにちは 介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行です
厚生労働省が8月24日に公表した2016年度の「介護保険事業状況報告(年報)」から感じたことは、以前から言われていた地域包括システムの中心が地域密着サービスであることです。
要支援者の一部が、総合事業に移行していくため介護保険としての統計は来年度から変わっていきます。また、厚生労働省が増加する要介護者に対して小規模多機能型居宅介事業所数を増やす方向であることも数字上でてましたので、いよいよだなというところです。
居住系サービスは、開設時の設備コストや併設介護サービスの利用をしていただけない場合の収入に対するリスクは大きいため、生活費用を高く設定しなければ運営は難しくなりました。また特定施設入居者生活介護は指定が取れないため増えない。
要介護1・2の方の生活を特に独居の高齢者の解決する方法として、小規模多機能型居宅介護の需要が伸びていると思われます。地域性や保険者の取り組みなどの違いがどのタイミングでこの傾向になるのか注意して置く必要があります。
今回の統計では、伸び率が高いのですがそれは今までの数字が低かったからであり実際のウェイトしてはまだ低いです。しかし、定員があり定額制である小規模多機能型居宅介護は保険者としても介護給付費管理がしやすくのもメリットです。
以下は「介護保険事業状況報告(年報)」のデータからです。
2016年度の介護費用は9兆6611億円、サービスの区分別に伸び率を見ると居宅5.0%減・地域密着34.9%増・施設0.3%増という状況です。サービス受給者数の伸び率(1年度累計数)を同じく区分別に見ると、居宅0.4%増・地域密着87.8%増・施設1.3%増となっています。
2016年度の介護費用については、9兆6611億円(前年度に比べて、1.8%増)となりっています。介護保険制度がスタートした2000年度には、介護費は3兆6273億円であったことから、16年間で2.7倍に増加しています。しかし、昨年度伸び率は、以前の4%より小さくなっています。
介護保険給付費の内訳を見ると、居宅介護(予防)サービスが4兆4514億円(前年度比2360億円・5.0%減)、地域密着型介護(予防)サービスが1兆3636億円(同3531億円・34.9%増)、施設介護サービスが2兆8556億円(同73億円・0.3%増)という状況です。
昨年度の傾向として、地域密着型介護(予防)サービスが大幅増になっています。これは、地域差はあると思いますが報道によりますと「施設サービスからの移管」によるところが大きそうです。
「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の新規入所者は要介護3以上であること」になり、要介護1・2で施設入所を希望する方が「小規模多機能型居宅介護」サービスなどの活用したと考えられます。あわせて要介護1・2の利用者が特に大きく増加しています。
居宅介護(予防)サービスが減少しているのも、地域密着型介護(予防)サービスに移動しているからと思われます。
次に認定者の数は、632万人(前年度に比べて12万人・1.9%増)で、要介護度別の構成比は、要介護5:9.5%(0.3ポイント減)、要介護4:12.1%(0.1ポイント増)、要介護3:13.2%(0.1ポイント増)、要介護2:17.5%(0.1ポイント増)、要介護1:19.9%(0.2ポイント増)、要支援2:13.7%(0.1ポイント減)、要支援1:14.1%増(同0.2ポイント減)となっています。
統計の内容は、主なものだけ紹介いたしました。
その他必要な情報は下記アドレスからご覧ください。各県別の統計もそこから移動することで見ることができます。
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/16/index.htm
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事務所の名前とマークのフクロウは「福老」「不苦労」の漢字を当てられます。老いた方々に幸福を与えることができるような仕事をしたいと命名しました。
介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行