次回の介護保険改定が始まる

こんにちは 介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行です

介護報酬改定の説明会がやっと終わったと思えば
財務省の財政制度分科会は次の改正の検討を開始しました。

今回、ブログは書いているうちに、感情が盛り上がり
ところどころ少し冷静さを欠いています。
しかし、共感してくれる方もいると思います。

財務省は、今国会では改ざん問題で叩かれたますが
予算を握っているので他の省庁よりワンランク上の存在です。

予算組みでは、他の省庁の課長クラスが財務省の担当官に頭を下げてお願いするとか聞いたことがあります。

昨年の介護報酬改定でも、財務省はマイナス改定を主張していましたが、厚労省はなんとか微増までもっていきました。

財務省は、現状の把握は関係なく数字やデータでの判断を行い財政面での制度改革を提案します。

今回は、大きく3件の提言をしています。
① マネジメントの自己負担導入
② ケアプランの標準化(これは要請)
③ 施設・事業所の大規模化の促進

① は以前からも言われていたケアプランが自己負担が無いので
有料化してはどうか言うこと、今回の試算では1割負担で500億円の抑制になる

自己負担がないことで、利用者側からケアマネージャーの業務の質についてチェックが働きにくい構造になっている。」なんと素晴らしい大義名分ですね。

それに対して、「利用者が一層ケアマネの質のチェックを行っていくことを資する」とメリットを強調した。とも

検討された中での肯定意見には、自立支援型マネジメントの推進とか利用者とケアマネのコミュニケーションの促進などがでたらしいです。

2016年度の居宅介護支援の給付費が4900億円

② にも被っていますが、4900億円で何人のケアマネが雇えるだろうか
名目で、平均給与支給が35万円×12ヶ月で420万円、
福利厚生費が15%として63万円です。概ね1人490万円。

計算してみると10万人です。1番いい方法は、この10万人を公務員で雇ってきちんと研修して国が考えている中立公正であり、標準化され過剰ではないプラン作成をしてもらったがいい。

平成30年1月の要支援者・介護者数が640万人ですので
1人64人担当すればいいことになります。
要支援者約177万人を外せば463万人になり
1人46人の担当で対応できる計算になります。

 

2番目の標準化は、ケアプランの過剰サービスを無くすために標準的なケアプランを設定して、異なるメニューを作成した場合、ケアマネジャーは保険者に対しての説明責任を持つということです。

財務省自体が、自分たちの不祥事に刑事訴追の可能性があるので証言をせず、説明責任を果たさないのになんでケアマネジャーがしなければならないのか

この件については来月にも政府に提言する方針だそうです。

気持ちを落ち着けて、3番目の施設・事業の大規模化の促進です。
確かに統合や再編をスケールメットを生かせる。
人事・人材育成・サービスの質の向上などソフト面や
施設・設備などのハード面のコスト削減もできる。

大きな組織と中小の組織が共存することはどの業界でも
あることで、中小の事業所は、その特性生かして運営をする。

無論、大きな組織になることを目指していくこともありだと思います。

しかし、今回の例示されたのは、
人事や経営管理の統合・連携に向けて自治体が目標を定める。
・介護報酬を議論する際に一定の規模を持つ事業者の経営状況をを勘案する。
・人事、経営管理の統合・連携事業に加わることや一定の規模を持つことを指定・更新の要件とする。

大きな組織を基準とすれば、それに合わせるために無理をする。
その結果、経営が悪化することもあります。

実際に、器が大きくても内情はわかりません。
利益はあってもキャッシュフローは悪いなど経営状態は様々です。

将来の独立起業を目指すことが難しくなれば、優秀な人材確保も難しくなり、業界自体の発展は望めなくなります。

この事案の提出資料が、介護施設・事業所の7割が100人未満の法人であり複数の事業所を持っているのが64%であることです。

中小の規模で、きちんとした理念や目標をもって苦しいやり繰りをしながら頑張っているいる事業者は沢山いることを証明する数字ではないでしょうか

街の電気屋さんが無くなり、全国チェーンの家電専門店に買いに行く。介護業界も流通業界と同じ様にしてしまいたのかと思ってしまいます。

今回の改正を見ても、財務省の今後の提言を見ても介護給付費が増加するのはケアプランであり、その原因はケアマネジャーであり、そして単価を抑えることができないのは中小の事業者のせいだと言っています。

ケアマネジメントの有料化の理由も、ケアマネジャーの質の向上が目的ですから

昨年末から、保険者でのケアプランチェック担当職員の求人がでています。現状は動いています。

これからも、いろんな情報や、方向性が出てくると思われます。
早く収集し、準備する事をして、変化に、対応して行くことが大切です。

何があってもゆるがない、地域に愛される「我が街一番の事業所つくり」に取り組みましょう。

 

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事務所の名前とマークのフクロウは「福老」「不苦労」の漢字を当てられます。老いた方々に幸福を与えることができるような仕事をしたいと命名しました。

介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行

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