選挙中はまずかったのか、遅れて介護事業経営実態調査が報道されました。今回は精度を上げるため対象期間を1年にして調査をしています。
この結果から介護給付費分科会で来年4月の介護報酬改定が検討されます。実際に前回2915年は、中小企業に比べて介護事業は利益率が高いとの理由で、マイナス2、27%の改定でした。
2016年度の介護サービス全体の収支差率は、3.3%で、前回改定前2014年度の4.8%に比べて1.5%マイナスになっています。
報道された資料中で、えっと思うのが収入に対する給与費の割合です。居宅サービスをみれば、訪問介護75.2% 居宅介護支援85.6%低い方で通所介護62.1%などかなり高い比率です。
この収入に対する給与費の割合が高くなっています。まとめますと、収支差率は悪くなり、人件費が経営を圧迫している。
介護報酬を決めるのは厚労省だけではありません、財務省が大きくかかわっています。財務省は年間介護給付費9兆円を抑え、介護保険料のアップしないようにするため、マイナス改定を検討しています。
具体的に、利益率の高い訪問介護(5.5%)通所介護(6.3%)については①サービス回数の上限設定②事業所数については総量規制の導入を検討しています。さらに介護員処遇改善加算が増額になった分をマイナス改定したい考えです。
次に指摘しているのが、不正な事業所の取り締まりです。訪問介護や通所介護のサービス詳細がきびしく審査される。不要な介護、無駄な報酬など検証がなされています。
前述でサービス回数の制限と書きましたが、財務省は訪問介護を対象にケアプランに回数制限を設けることや通所介護は機能訓練を着目し、行なっていない事業所は基本報酬を減らす。
財務省の考え方はサービスの過剰・適正化をしていきたい。ということです。
もし、この条件介護報酬の改定がされた場合、介護サービス事業所の経費の大半は人件費ですから、経費の節減は人件費になります。または、サービス提供に必要な経費例えば、通所介護でのアクティビティや行事に使う経費などを見直す必要がでてきます。
行事の費用などは利用者から徴収すると解決するかもしれませんが、日々の費用は簡単にはいきません。入浴のシャンプーやボディソープなど消耗品など結構いろんな費用があります。
介護事業は、報酬が税金から支払われためその値段を国が決めます。不正もきびしく処分されます。きちんとした運営をしないと返還したり、廃止されたり、いかにいいサービスを提供しても証明する記録がなかったり、不完全だったりすると請求をすることはできません。
介護報酬のマイナス改定には、各協議会などが反対の声をあげていますが、かなり厳しいと思われます。自分の事業所を守るため、運営を見直しながら法令遵守をしていかないといけません。
ひとりでするのは大変だと思います。外部に相談すれば見えないところがわかります。いっしょに頑張りましょう。 安部 浩行
無料メールマガジン「介護に棲む日々」を発行しています。25年の経験や実績からいろんな話を載せています。是非、サイドメニューからあるいは下記のメールアドレスから登録をお願いいたします。 mail@kaigoabe57.com