介護事業における危機管理

こんにちは 介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行です

ニュースでは、スポーツの世界も政治の世界も毎日いろんなこ事で一進一退しています。どこに終着点があるのかが見えていない話ばかりですね。

記録や書類があったの無かったの・指示があったのしなかったの。権力者が保身をしている様にみえるのは私だけでしょうか

日本大学アメリカンフットボールの件は、危機管理対応や内部告発に例える記事も多いです。実際に、介護事業でも起こり得る事です。

 

危機管理とは、今回の件でしたら謝罪するタイミングと言えます。誰がどのタイミングで行うのか、私自身も管理者として介護上の死亡事故を経験した事があります。

ご家族に状況をご理解いただき訴訟や賠償金になったケースはありません。

クリニックの事務長をしていたと時、多分35歳くらいだったと思います。一緒に勉強会に出席していた病院の事務次長の方からいろんな事を教えていただいた中にいくつかの言葉がありました。

最大のリスクマネジメントは、家族とのコミニュケーション」
「3連休して、利用者からいない事を聞かれない職員になってはいけない。」
「逆に言えば、3連休をしてはいけません。決していなければならない存在になる事」
あなたに会いたいと待っている利用者がいることがを忘れないこと」

最後に老人ホーム施設長で現場を離れるまでは、週休1日でした。何か用事があっても1日のうちどこかで現場に顔を出しました。

さすがにインフルエンザは、休みましたけど

 

話を危機管理に戻しますが、家族とのコミニュケーションは簡単な様で難しい事です。以前に、損害賠償になった事故の話を聞いた事があります。

 

事故の経緯は、喉詰め事故です。食欲不振の入所者に、パンを牛乳に浸して食べさせていたところ喉につめてしまい、救急車で病院へその場では一命を取り止め、病院に来た家族に介護職員が状況を説明して施設に戻っています。

 

この時、病院に来た家族は、同行した職員に「ありがとうございました。お世話をかけました。」と話されたそうです。事故がおこったのはお正月でした。
その1週間後、容態が悪化しお亡くなりなりました。

お葬式が終わり、家族がこの件についてに説明を求めて来たそうです。介護記録等の写しも提出も要求してしてきました。

 

相談を受けて、いくつかの問題点がありました。
① 経営者への報告が、入院までしか行っていなかった事
② 同行時家族の言葉に勘違いしてしまった事
③ 以前から介護内容に不満を訴えてあったが対応できていなかった事
④ キーパーソンの長男が介護支援専門員だった事

 

上記の事実からどう被害者の家族が事業所に不信感をもったかは以下の通りです。

 

① で経営者から謝罪がなかった様です。通夜にも葬儀にも行かなかったため家族はその不誠実な態度と思った。

② 家族の態度が穏やかだったため、詳細説明や責任者による謝罪をしていない。キーパーソンとのやりとりができていたかどうか

③ 面会時に髭が剃れてなかったため、家族が髭剃りを行った。帰りに今後は髭剃りをしてもらう様に依頼したが次回も髭は剃っていなかったなど

④ 同業者は、知識があると同時に仕事の大変さもわかっています。同情もあるし逆に反感も強い。そして、法的な対応も知っています。

家族とのコミニュケーションとは、話をする事だけではないのです。このケースは③で家族は介護に不信感をもっています。その上、きちんとした形での責任者からの謝罪もない事業所は何かを隠していると疑われても仕方がないのです。

 

もう一つ注意する点は、コミニュケーションは管理者とできているか。このケースもそうですが介護員には、お世話になったと感じていますが、管理者に対する考え方は違います。

全く別と考えて対応する必要があります。決して誤解が無いようにして下さい。

 

コミニュケーションで必要なことは、利用者や入居者に異常がある場合はこまめに連絡をする事、面会時には生活状況や利用中の状況を伝える事、特に話しにくい事は最初に伝える事(認知症の進行や異常な言動など)同時に家族で気付かれた点があれば確認する。

 

事業所に対する要望や気づきについても、毎回確認をして下さい。報告が漏れていたりした場合は、認めて謝る事です。そして、その場で出来る対策は返答する事です。あまり、難しい事は話されないケースが多いです。

 

もし部下や事務員が間違えて事であっても、部下や事務員だけのミスにしてはいけません。「最終的にチェックを怠ったのはあなたでしょう。」と言われたら関係修復はかなり大変になります。部下に責任を押し付けてたようになります。

 

あくまでも、最終責任者である自分のミスを認めてから起こった状況の説明をします。その態度は、家族にも職員にも信頼を生みます。

 

家族とのコミニュケーションは、初対面からの面談1回1回の積み重ねです。小さなトラブルは解決の仕方により信頼関係を築く事ができます。大切なのは、直ぐに間違いなく見える形で対応する事です。

 

職員一人一人の対応も気をつけないといけません。 AさんはよくしてくけどBさんは悪いとかあった場合、Bさんが事故を起こした場合、個人を訴えるケースがあります。

 

危機管理を考えた場合、ケースで出したことひとつでもが起こらないようにする。
最高責任者への報告は漏れなく正確に、謝罪と説明は然るべき人がなるべく早く、その時キーパーソンに対して行い決裁権があるかたが同席する。

 

日常のコミニュケーションと事故対応の精度と速さで確実に誠意を伝える事が大切です。

 

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事務所の名前とマークのフクロウは「福老」「不苦労」の漢字を当てられます。老いた方々に幸福を与えることができるような仕事をしたいと命名しました。

介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行

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