こんにちは。オフィスABUの安部浩行です。
ご愛読いただきましてありがとうございます。
今回の介護報酬の改正による収益の見込みはいかがですか?
基本的には、プラス改正ですからほとんどの介護サービスでは微増だと思います。
但し、大きなダメージが出そうなのが、居住系施設の併設デイサービスだと思います。
居住系サービスとは、「サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)」と住宅型有料老人ホーム(以下住宅型)の事です。居宅介護支援事業所まで併設している施設も多いでしょう。
今回の改正で、デイサービス同一建物減算の利用限度額内での計算が変更になりました。3月までは94単位を減算するだけでした。
その計算方法では減算された94単位は利用限度額内で残りますので、その分介護サービスが多く利用できます。
これは、通常にデイサービスを利用している方に比べて不公平との判断です。過去にも訪問介護も同じ考え方から同一建物減算(10%)が実施されています。
簡単に言いますと、サ高住や住宅型に併設するデイサービスは同一建物減算分は利用限度額から引きますという事です。
確かに改定前の訪問介護も3月までのデイサービスもサ高住や住宅型の入居者は外部の利用者より回数が多く利用できていました。これが前述した不公平との判断です。
この考え方は、正しいと思いますが減収になるため事業計画や返済計画では影響が出てきます。開設時には無かった事ですから。
国のやり方は目標数を達成した途端に大きく変貌します。介護保険もでした民間事業者を参入させるため初めは緩めの管理でした。
事業数が増えていくにつれて引き締めを強めて行きます。そして、数が予定数に達したり超過すると監視を厳しくします。(選別に入ります)
基準や運営での負荷を増やしたり、報酬を減らしたりなどです。俗に言う「屋根にみんな登ったら、はしごを外す」みたいな感じです。
サ高住も同じで、高齢者の住まいの不足対策のため国土交通省が補助金を出して募集し併設の介護サービスも奨励していました。
その後、管理を厚生労働省の移し有料老人ホームと同じ取り扱いになりました。
しかし同一建物減算は、デイサービスは送迎に関わる経費が要らない事、訪問介護も介護員が移動する経費がかからないので当然だとは思います。
今回の改正では、デイサービスの規模でも平等性を出しています。単価の低い大規模事業所を利用しても利用限度額内での計算は通常規模で行います。
もう一つの注目点は「囲い込み」です。併設型のサービス事業所は、サ高住や住宅型の運営法人が開設していて入居者=利用者の構図ができていることです。
サービス事業所の利用者が100%入居者であり、入居者の介護利用限度額の利用率が在宅の方に比べて高いなどです。
経営側から見れば介護保険で足りない介助は有料か無料サービスで対応していると主張したいところでしょうが、介護度の低い高齢者に毎日のデイサービスは過剰だと判断されます。
また、サ高住や住宅型、居宅介護支援事業所、介護サービス事業所での不正発生が多いのも管理を強くしている原因になっています。
併設している居宅介護支援事業所など、厳しく指導されるからやめたほうがいいとアドバイスされるそうです。
しかし他市から入居の場合や入居の時に居宅契約を解除される場合があり廃止する訳にはいかないとのことです。
同じ法人での囲い込み対策は、サ高住や住宅型だけの問題ではなく9月以降に保険者の権限での対策がなされてくるようです。
PS:最近、過去のブログでよく読まれている項目は「住宅型有料老人ホームの実地指導」です。
私自身、住宅型有料老人ホームの管理者兼務併設デイサービス管理者兼務併設居宅介護支援事業所管理者で実地指導を受けました。また会計検査院の調査も受けました。
一般的な介護サービス事業所(デイサービス、居宅介護支援事業所、グループホーム、特定施設生活介護)の実地指導も受けました。
併設事業所で1番注意することは、単独事業所の人員配置や記録が明確になされていること。施設の一部のような錯覚になっていないか注意する。
居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、施設ケアマネではありません。施設には係りがない立場にいます。
全て職員に自分の所属を理解させて仕事をさせる、管理者は単独事業所として運営する、業務や配置を複雑にしないことです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
