こんにちは 介護ビジネスコンサルタントフクロウ 安部 浩行です
前回に続き、人材の底上げを図るがテーマです。
職員の育成や指導について、基本的な考え方を変える必要があります。前回の最後に書きました。「できることチェックリスト」の活用です。
以前だったら、「できるようになりなさい。」で良かったかもしれませんが、今はできるように育てないと教えたことにはなりません。まして、人材難であり人手不足の現状では育成をしていくしかありません。
そのためにまずは、できる事とできない事の仕分けを行います、誰かの手伝いがなければできない事が表面的にはできているように見える時があります。そのことを把握していないと後で大きな計算違いになりかねません。
もう一つは、本人はできているつもりで実際にはできていないケース、できている思い込むこともあります。よくあるわかっています発言やわからないと言えない性格も含まれます。
この場合も、「わかりましたか?」と言う質問は愚問です。わからないと言えない状況に追い込むからです。「なかなか難しいですよね。ここまでは大丈夫ですか?」など聞き方に工夫が必要です。
それでは、結果としてできない原因はどこにあるのでしょう。
・最後までやりきるまでの「やり方」がわからない。
・やり方はわかってもできるまで「続ける」ことができない。
などいろんな原因で結果が出せません。
それぞれに原因は違いますので、チェックリストで把握したあとで次の行動を考えることです。言語化したり、映像化したりできたら1番わかりやすくいい方法です。個別とはいえある程度いくつかのパターンに分かれると思います。
チェックリストを作成するためにやらなければならない事があります。それは、仕事の標準化です。前回書いたようにマニュアルではなく、仕事を実行するための手順書みたいなものです。その中にはルーティンワークも含まれてくるでしょう。
なかなか仕事ができない2割の方はルーティンワークから教えるのもいい方法かもしれません。車のシフトはエンジンを始動して最初はブレーキ踏みながらではないと変わりません。そのうち、慣れてくると自然と先にブレーキを踏むクセがつきます。
できない2割の方は、成功事例を作ると自信になり次の仕事につながります。これは大きな戦力となります。時間はかかるけれども確実に仕事ができるようになります。
中間管理職にも同じことが言えますが、マンパワーが足りない中で難しいとは思いますが仕事の複雑化が離職の原因になっています。現場をやりながら、管理をする。まだ介護に関わる仕事だけならいいですがそれ以外の業務までやらなきゃいけないケースはモチベーションの維持ができなくなります。
介護保険法では、事業所管理者については条件を満たせば兼務を認めていますが、管理者業務の時間を勤務表上明確すると共にその時間数は常勤専従職員が勤務すべき時間数の6割以上にしなければなりません。
仕事ができる2割の職員は資格やキャリアを活かした仕事を目的にしている人もいます。自分の成長につながる仕事や専門的な仕事に対する苦労は気にしないと思いますが、管理業務をマスターしていく上でも「できることチェックリスト」は必要になります。
もし、仕事ができる2割の職員の離職が出てきた場合は、仕事が複雑化あるいは元来の仕事以外の負担が原因になっていないかを確認して下さい。
※老人ホーム事業で大きな経営破綻がありました。
有料老人ホーム「未来倶楽部」(株)未来設計の民事再生申請は週刊誌などでも報道されています。経営者の贅沢な生活が原因と書かれており、負債総額は70億円で顧客からの預り金一時金のうち26億円も不明金になっています。
未来設計は有料老人ホーム37施設で2240床を運営していました。
今回も買収したのは、福岡市の創生事業団です。平成18年7月に事業譲渡を受けてます。創生事業団は170施設、総定員数8400床 総従業員数5200名 売上高350億円の規模になっています。創生事業団は、買収時には不明金等は発覚していなかったようです。
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事務所の名前とマークのフクロウは「福老」「不苦労」の漢字を当てられます。老いた方々に幸福を与えることができるような仕事をしたいと命名しました。

介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行
