来年度の介護職員処遇改善加算の申請は終わりましたか
今回は、改正が無かったので簡単にできたところもあるでしょうね
こんにちは フクロウ介護事業コンサルタント 安部浩行です
前回は、働き方改革の事を書きましたが、今回は介護職員の離職と求人について書きます。
先づは、統計資料です。介護員処遇改善加算などにより賃金面での格差は少し改善しましたが、現状はどうなのか。数字で見てみます。
厚生労働省が発表している介護職員の離職状況は14.7%です。また介護労働安定センターによるものでも16.5%です。平成20年以降離職率は20%を下回り、現在は他職種とそれほど変わりません。
介護職といっても在宅系・施設系と働き方や勤務形態が違います。また、正規・非正規と雇用形態も違います。職種・雇用形態での離職率では平成27年度の介護労働実態調査では、非正規の介護職員21.7%で次いで正規の訪問介護員15.8%となっています。
訪問介護員と介護職員とを比較すると介護職員の離職率が17.6%であるのに対して訪問介護員は離職率が14.1%です。
次に、退職するまでの期間ですが、
1年未満でやめていく人が一番多いのが介護職員の41.6%、雇用形態では非正規職員のうち常勤スタッフ46.2%が多くなっています。
1年以上3年未満の離職者は離職者全体の34.6%。 1年未満と1年以上3年未満の合計すると74.8%の人が3年以内に辞めています。 理想やイメージの違いから早々と辞めていくケースが多いようです。
以前に比べて、業種を変えるつまり介護職を辞めるケースは減ったような印象です。今の職場に不満や問題があって、事業所を変わる。業界としてのイメージは改善していると思います。
離職率の高い施設職場の特徴
(1)人手不足が離職率に拍車をかける負のスパイラル・・人手不足の施設・職場では働く人への精神的・肉体的負担が大きく、残業が多い・勤務表が度々変わる等の不安や健康上の問題・事業所や上司に対する不信からますます離職者が増えると言う負のスパイラルに陥っていることが多い。
(2)職場の人間関係が悪い。・・平成27年度介護労働実態調査では介護関係の仕事を辞めた理由を調査した結果、1番多かったのは「職場の人間関係の悪さ」で、職場の人間関係を理由に離職していく人は離職者の4人に1人にあたります。
(3)その他、将来の見通しやキャリアプランが描けない事業所、優秀な人材の定着率の低い、入社時はある程度の給与があるが勤務年数にあわせた昇給が無く、先々にはある程度給与が必要となる。
若い男性職員には、結婚や出産などのライフプランが描けないことから介護の仕事を去っていく人も少なくない。自分自身の将来像が見えないことからの不安、人材育成の研修の時間が十分取れていない事業所や昇進昇格プランを見せられない事業所の離職率が高くなる傾向にある
平成27年度介護労働実態調査によれば介護業界の平均月給は217,753円。職種別みると看護職員が26.6万円、ケアマネージャー25万円、生活相談員23.2万円、サービス担当責任者21.9万円、介護職員19.8万円。賞与については,ない事業所の離職率が激しい。
求人情報を見たときのチェックポイント
・採用人数と職員数の比率・・大量採用は、一気に人が辞めていった印象がある。募集人員が職員数に比べて多い場合は警戒される。
・求人募集を出している頻度・・絶えず求人している事業所は定着率が低い可能性が高い。
・給与が他のところと比べて異様に高くないか・・給与が多少高いのはいい印象をあたえますが、あまり高い・手当が多い・条件がいいのは不安を与えます。
・年間休日数・・有給休暇以外の年間休日は平均109日です。これ以上に休みがある事業所は体制がしっかりしていて職員数も確保している
最近の傾向は、離職率の高い職場は短いスパンで人が入れ替わっていること。離職者の7割は3年以内に辞めている。労働者の退職理由が、職場の人間関係・給与や待遇などによる将来に対する不安などがあげれれます。
以上が、統計から見た介護職員の離職状況と職場探しの傾向です。
次回に、対応策を書きたいと思います。
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フクロウ介護事業コンサルタント 安部 浩行