こんにちは。オフィスABUの安部浩行です。
ご愛読いただきましてありがとうございます。
前回、付加価値の話をしましたが、習慣化された業務は付加価値に含まれるものではありません。
「笑顔(スマイル)」「接客(マナー)」「清潔」「商品知識」加えて「感染防止」などはサービスではなくて、基本的な業務ですから当たり前です。
今回の題目は、株式会社「ファーストリテイリング」の社長柳井正氏の著書の中に書いてあります。誰でもできるからこそ徹底させる必要があります。
先日、軽い知的障害がある女性が結婚し老人ホームの厨房を退職しました。9年前に彼女の就職の時は私が担当したので本当に嬉しい出来事です。
県立の障害者支援施設から、調理の職員を希望の女子生徒がいるからと実習の依頼があり受け入れた事がきっかけです。
適正をみるため2年の間に数ヶ月単位で実習を行うシステムでした。
彼女の意欲と頑張りで卒業と共に就職し、正職員とし厨房になくてならない職員となったのですが、入社以前に障害者支援施設でマナーと体力は厳しく指導を受けてました。
事務所に入る時は、「失礼します」出る時は「失礼しました」教えられたことを忠実に実行します。これはルーチンの行動と言えるかもしれません。
軽い知的障害がどのくらいのレベルがいうと普通自動車の運転免許証の学科試験になかなか合格ができません。仮免許の期間で合格できずに断念するケースもあります。
指導をなされた障害者支援施設の先生方は大変な仕事だったと思います。私が実習の報告書を提出し、必要な指導を行い、そして実習を行う。
本人も自分の夢の実現のため頑張ったと思います。毎日が21時就寝、5時起床、5キロランニングの日課で体力と礼儀は自信を持ってました。
なぜ、この話をしたかと言いますと基本的な業務は「能力」ではなく「習慣」の問題だからです。
つまり、誰にでもできる仕事、できるようになる仕事ですから逆に簡単に教えるのではなく意識的に鍛える事が必要なのです。
基本的な業務には、「クレーム処理」や「事故報告」も含まれます。適切に対応し、再発防止や問題解決、周知徹底は全職員が行わなければならないことです。
中途採用での職員の研修では、今までやってきたはずと基本的な業務を飛ばして技術的なことを早めに教えようとします。
それは即戦力としての雇用であり、期待からかもしれません。
しかし、まず大切ことは誰にでもできる作業ができるかどうかということです。そしてできるようなった上で次の段階に行きます。
この部分が「試用期間」であり、その期間には個人差が出てきます。介護業界は、資格社会ですが介護の資格があるからといって即戦力ではなかった場合が多くあります。
例え経験者であっても、勤務した職場により差があり単純に勤務年数だけでは判断ができません。能力や育成方法だけでなく経験した介護サービスによっても違います。
学歴でも専門性でもなく、基本的な業務が習慣化しているかどうか?できなければ時間をかけてできるようにすることが指導です。
介護の職員に必要な指導期間は3ヶ月と言われます。やり方の違いもありますが一番時間がかかるのが応対する高齢者の名前や顔を憶えて状態を把握することです。
看護師さんは、状態把握が早いです。カルテを診て病名から知識と経験からある程度の全体像を描くことができます。観察力も違います。
看護師さんは学校で医療の基本的の知識を勉強した後に医療機関の実習で臨床体験を行なった上で、試験に合格してから資格取得ですから。
まずは、採用時研修を焦らずに研修をきちんと行うことです。短期での離職の理由に上位には「指導に対する不満」があります。
できる職員育成の第一歩は、勤務のスタート時にあります。時間をかけた採用時研修は職員の離職防止にもなります。
PS:私も経験がありますが、管理者募集で求人を出すと職務歴にいろんなサービス事業所の管理者歴があったりいかにも経験豊富そうな方が面接きます。
優秀な方もいましたが、「なんちゃって管理者」だったケースもあり、職員が育成された事業所ではスタッフから相手にされないことがありました。
上の職員の退職で順番で管理者になってしまった方で、知識を勉強をしなかったのだと思います。それならせめて大風呂敷を広げなければよかったのに。
結果、仕事がやりづらくなって短期で退職に・・・。人件費の1番の無駄使いは育成途中での退職です、跡には何も残らずに出費と疲労感が残り。また募集と面接が始まります。
最後までお読みいただきありがとうございました。