こんにちは 介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行です
・先日の新聞記事からですが、西鉄の老人ホームの概要が出でいます。
福岡県久留米市に住宅型有料老人ホーム「サンカルナ久留米」を新設すると発表した。IoT(モノのインターネット)技術を活用した健康管理サービスを提供する。居室数は306室(うち介護専用34室)あり、九州で最多という。2020年7月に入居開始予定。
健康管理サービスはソニーモバイルコミュニケーションズ(東京)が開発。入居者は腕時計型の端末で日常の歩数や睡眠の状態などを記録し、AI(人工知能)からトレーニングの助言を受けることができる。また、共用玄関と居室の鍵として西鉄グループのICカード「nimoca(ニモカ)」を使う。
老人ホームは14階建てで、延べ床面積約2万5500平方メートル。投資額は約68億円。入居一時金は約2400万円、月額費用は約13万円(食費込み)。
入居一時金の合計額が、73億4400万円ですので投資額をやや上回るますので入居一時金の保管義務がありますが、成り立つ金額設定ではあります。
久留米の隣町に住む私としては、この高級老人ホームの計画に驚くばかりですね。
最先端技術を備えた施設になる事は間違いないと思いますが、住宅型老人ホームが苦戦している中で、306室の規模はかなりの勝算(マーケティング)があってのことだと思います。
入居対象者(ターゲット)は、一般住宅型有料老人ホームとは全く違うとは思いますがどのくらいの介護レベルの方が生活できるのかなど詳細は今後はっきりするでしょう。
西鉄の老人ホームの一時金の2400万円がどう取り扱われるのか(契約内容)、月の費用が13万円だけれどもそれだけで生活できるのか(オプションが必要なのか)、併設サービス内容(医療機関や介護サービス)など
ちなみに、西鉄の老人ホームですが投資額が68億円で306室ですから、1室当りの投資額は2222万円です。
3億円の投資額で20室の老人ホームを建てたとします。1室当りの投資額は1500万円です。
償還年数を30年とすれば月額2万円です。そして、後者に高額な入居一時金設定はできないと思います。
有料老人ホーム自体の設備・規模や母体企業(西鉄)の大きさから考えてこの計画も無理がないのかなと思います。
現在、老人ホームの運営や介護事業所に必要なマンパワーの確保が事業展開のネックになっていることもあります。
・特別養護老人ホームでのマンパワーに関する統計が出ています。
開設する特別養護老人ホームの35.9%が開設時に一部休床や入居者の制限を行った。その理由が
・運営基準上の必要職員数が確保できなかった
・職員が順応しやすいように順次受け入れとした
など、職員の配置や不足が原因で80%を超しているそうです。
この調査は、昨年8月から9月に開設後年以内特別養護老人ホームによるものです。
私の知り合いで新設の特別養護老人ホームのオープニングスタッフで入職した方から聞きましたが、そこも1ユニット毎に受け入れをしたそうです。
理由は、職員数の不足と事前の研修等の不足により育成ができていないなどで、待機者はいても受け入れはできなかった。
また、施設自体がユニット単位になっているため必要な職員の配置がユニット毎になっていることも小刻みな開設になっているのではないしょうか。
最後まで開設できなのは、ショートステイだったそうです。ショートステイについては既存の施設でも職員不足により休止しているところがあると聞いています。
今回の介護保険改正も、説明会が4月にずれ込むなどギリギリまでかかりました。
運営基準の変更や介護報酬の見直しをみても、性善説から性悪説に変わってきている。
やっていますでは、納得しない。証拠を残しておきなさい。
これからの高齢者事業には目的に応じていろんな展開をでてきます。
高齢者の方の経済状況や職歴や生活歴にあった事業所作りが必要なっていきます。
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事務所の名前とマークのフクロウは「福老」「不苦労」の漢字を当てられます。老いた方々に幸福を与えることができるような仕事をしたいと命名しました。
介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行