こんにちは。オフィスABUの安部浩行です。
ご愛読いただきましてありがとうございます。
コロナウィルスのワクチンも日本に到着しました。医療や介護施設の従事者や入居者は優先順位が上ですので、今月末から来月にかけて1回目が実施されると思います。
介護従事者に対する感染対策も、緊急事態宣言の発令されている10都道府県とその他では温度差が出ています。
緊急事態宣言が出ているお隣の県では、都市部以外でも介護職員の定期検査が行われています。今回の通知では他道県でも検査の実施を促しています。
現実問題として、私が携わっている会社では民間会社のPCR検査キットを購入してもらっています。検査料込みで購入し、有効期間は1年間です。
また、コロナワクチンの接種についての受けるかどうかの確認が自治体により早い段階で行われています。もしかしたら、公的機関と民間事業者とで順位が違うのかもしれません。
今回は、改正でも表記はされていましたが、具体的な内容はなかった「利用者からのハラスメント」の問題です。
基本的は2019年3月に三菱総合研究所が厚生労働省の委託で作成した「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」があります。
介護現場でのハラスメントは、「パワハラ」「セクハラ」など主にありますが、職場などでは多種多様なハラスメントに対し厳しい対応が決められており、罰則規定もあります。
利用者からのハラスメントは、介護職離れの一要因でもありこの数年いろんなケースが出てきています。
このハラスメントの問題は、会社や事業所が対策をとり具体的に取り組んでいかなければなりませんが、ではどこからがハラスメントになるのかの基準が難しいです。
また、どう証明するのかもルールが必要です。
実際にハラスメントで家族とのやり取りしたケースです。
男性の利用者で認知症はほぼなく要介護1。年齢は60代後半で脳内出血による半身麻痺。
数年前に通所リハビリにて女性職員に触るなどの行為があり、本人と長女に注意する。長女から本人に言い聞かせる。その後改善する。
男性職員に対して命令口調で話す。他利用者との人間関係も良くない、大きな声で怒鳴ることもある。
昨年夏に、老人ホーム職員からセクハラの報告あり。長女を交えて退去を含めて話をするがそこで肺疾患のため入院となる。
退院後大人しくしていたが、最近、また始まったため再度長女を呼び退去を勧告する。
長女は、社会人学生で働きながら看護学校に行っている。最近、資格取得めどがたち結婚を考えているため同居することは不可能。
この一連の流れの中で、マニュアルや契約書では退去要件になるかもしれませんが家族サイドではハラスメントの実態の説明を求めます。
長女も病院の病棟で准看護師として働います。いろんな患者さんを経験しているため介護員の気持ちの理解もあれば、対応に問題がないかとも考えます。
父親の性格を知っており行動の否定はできないけれども。(家族として)
この相談を受けた時にまず私の立場は、中立であることを宣言します。そこで事業者側には家族に対してハラスメントに関する記録類を家族に見せて説明をしてもらいます。
日時、受けた職員あるいは利用者名、内容と経緯、解決に向けて対策の内容(カンファレンス)などです。事故報告と同じくらいの記録が必要だと思っています。
今後、家族は保険者や国民健康保険連合会などへ相談に行くことも考えられます。事業所サイドも記録や対策が中途半端では追い詰められます。
家族側としても、触ったとしても、どの位時間、頻度は、男性職員の対応はできないか?ただ面倒だから出て行けと言っているのではないか?いろんな思いがあります。
PS:きちんとした記録が整備されていることの重要さは、その事業所の日頃からの取り組みがきちんとしているかどうかの評価になります。
記録の管理がずさんだと事業所の印象が悪くなり、評価もダウンしてしまい正しいことを発言しても信用されないことがあります。一事が万事みたいに見られます。
記録だけでなく、入居者の髭が剃ってなかったり、服が着替えてなかったりなど当然行うべき介助がなされていなければ、本当に行っていたのかどうか怪しまれます。
連絡や連携も大切です。何度お願いしてもしてくれない。毎回、言われることが違う。言い訳が多い。なども事業所の信頼性を失います。
第3者が介入する時は、目に見えるものしか証拠になりません。きちんとした連絡と文書管理を疎かにしてはいけません。
最後までお読みいただきありがとうございました。