こんにちは ハイパフォーマンスな介護事業所作りコンサルタント オフィスABU安部 浩行です。
ここでは住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅をまとめて居住系施設と表現しています。
介護計画を作成する上で、居住系施設入居者が併設介護サービスを利用する場合、通常の在宅の方と大きく違う部分があります。デイサービスと訪問介護の同一建物減算です。
それは同じ敷地内にある介護サービス事業所は、月の利用実績から訪問介護で10%の減算して請求します。通所介護は1回97単位の送迎減算を行います。
同一建物減算は、通常の在宅の方との平等性を保つものです。通所介護では、送迎に関わる経費がかからないこと、訪問介護での移動にかかる経費や時間がかからないことを考慮した減算です。
通所介護では減算で浮いた点数分が回数を増やせたり他のサービスに利用できていたため、今年の4月から計算方式が変わり同一建物減算分が利用限度額が減るようになりました。
その結果、今年の4月以降居住系施設併設介護サービスでは、大きな減収となりました。
その他にも、今後居住系施設併設型介護サービスには外部利用者の利用割合を保険者が設定するなど今後管理が厳しくなっていくことが予想されます。
話の順番が違うかもしれませんが、なぜ居住系施設の経営が成り立つように見えるかというと、通所介護の6時間の介護保険収入が特定施設入居者生活介護の1日分より高いからです。
同一建物減算の94点を引いても介護1・2で8時間、3以上は6時間で点数が上回るます。
特定施設に31日と通所介護の利用日26日で比較しても介護度2で大きな差は出ません。介護3の8時間でデイサービスが高くなります。
通所介護の収入で夜勤者の人件費までを捻出することができます。また居住系施設については介護員配置の人員基準は規制はなく、必要数となっています。
考え方を変えれば、居住系施設の単独収入では赤字になる可能性が高いことになります。
収入は家賃と食事代や管理費になります。食事代は職材料費と人件費、光熱費、設備維持費で構成され利益は出ません。
管理費も費用の使用の裏付けが必要で利益は対象ではありません。家賃は利益にあなり得ますが建設費等借入の返済も必要です。
サービス事業所の家賃も同法人内ではありますがきちんと設定し、内部でのやりとりを行い、収支の状態がわかるように会計分離をするといいと思います。
居住施設と介護サービス事業所が別の組織であり会計も分離されていることは法令でも定められています。
もし、兼務職員がいましたら給与明細は兼務の場合、所属ごとに別々に発行された方が誤解がないと思います。
居住系施設の併設介護事業を利用することが法令で禁止されている訳ではない。
まずはきちんと利用者側に選択していただけばいいことです。
第2回でも書きましたが、なぜ併設の事業所を入居者は使うのかについてその選択した理由がはっきりしており適切に記録されていれば全く問題はありません。
居住系施設との連携が密にとれ、情報も共有しやすく、生活全般でみた時に安心できる。
心身の状態を理解している職員が対応してくれる、家族との連絡、報告がきちんとできる
別に方面からでは、同一建物減算により介護保険利用料金が安くなる。また手続きや定期的な書類の承認など作業が1箇所でできる。など
同一建物にある強みや利点は多く、家族の安心材料にもなります。
家族の立場では居住系施設であれ、特定施設であれ区別がわかりにくいです。家族にとっての目的は家では介護できないので預ける場所が必要ということなのです。
あとは予算との兼ね合いです。できれば安い方がいい方が多いです。
ですから、法令遵守した手順と記録で書類作成し同意をとっていれば問題は何もない。
これからの方向性や指導を考えると、収支計画は予定通りに行かなくなる。
介護事業収入の減収や入居者の確保などが重なり、事業開始時の収支計画通りに行かなくなり経営が厳しくなる。
まずは、厚労省の方向性に従ってが通所介護であれば外部からの利用者を確保する。訪問介護であれば、外に出ていく。事業を外部に求める方向で準備しなけれならないと思います。
「居住系施設での問題点」に続きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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オフィスABU 安部 浩行