こんにちは 介護ビジネスコンサルタントフクロウ 安部 浩行です
新年早々から介護業界のニュースがいろいろと報道されました。
グループホームでの入所者による職員殺人未遂事件、入浴介助中の入所者が介護職員が着ているパーカーの紐で首をしめたという事件です。職員は一時意識を失ったが首をすりむく軽傷だそうです。殺人未遂容疑ですが本当に殺意があったのでしょうか?取り調べについては詳細は入ってきません。
ある老人ホームでの出来事です。これは警察沙汰になったことはなくても、職員が入居者からハサミで切りつけられたことがありました。ましてや、そのハサミは本人の物ではなく、他の入居者の物で部屋に行った時に持ち帰った物でした。
幸い職員に怪我はなかったですが、急な行動でギリギリのところでかわしていました。ご家族に状況を説明する中で、ご家族も謝罪されて恐縮されている中で話された事があります。
その一つは、被害受けて職員の言動が怖いと日頃から本人が話されていたという事。確かに言葉使いなどは、コーチングで直す必要がありますが、風貌や体型はそうはいきません。特に認知症の方などどんなにコミニュケーションを取ろうとしても感情的にできない場合もあります。
例えば、入居者Aさんの介助は職員BはNGとかもでてきます。職員数が多い事業者や日勤帯はなんとか対応できますが、小さな事業所や職員が少ない夜勤帯は厳しいものがあります。NG職員は、他職員に気を遣い、心が折れるのを覚悟して対応しなければなりません。
もう一つは、凶器になったハサミの管理の問題です。持ち込んだ方はまだ管理能力があるレベル、今回の使った方は認知症があり部屋には置けないレベルでした。加害者の家族としてはなぜと言いたい気持ち確かです。
老人ホームサイドの管理方法に問題があるのか、確かに入居契約書では危険物の持ち込み禁止条項があります。入居時のチェックでは確認していますが、入居に関わらない家族が本人の要望で持ってきていたようです。
老人ホームサイドの姿勢をきちんとしなければなりません。太閤殿下と同じように刀狩りを実施して前室の持ち物チェックをしました。やはりかなりの危険物が出てきました。はさみ・果物ナイフ・裁縫セットなどです。
なぜ起こったのか、防げなかったのか、想定できなかったのか、事前に状況がわかっていた(報告していた)にもかかわらず上司=会社は何も対応しなかったではないか。つまり、管理責任が問われます。
最近、問題になっている。利用者からのセクハラやパワハラも同じです。受けた職員からの相談や報告をそのままに放置しておくわけにはいきません、会社は介入して解決する責任があります。
きちんとした運営の中でもアクシデントはあります。今回の殺人未遂容疑での警察の介入には、必要性の是非がSNSでも載っていました。相手は認知症にある老人じゃないか。というご意見もありました。
しかし、1対1の人間間の争いとみた場合、体格や精神状態(異常な力を発揮する。私の経験では不穏になった身長140センチ、体重30キロ台の80才台の女性が大きな消火器を頭の上に持ち上げて投げたケースがあります)で危険なことはあります。
入浴中に怖くて何かを掴んだら、パーカーの紐でそれを引っ張り続けたのかもしれません。
ここでやらなければならないことは、自分の事業所で起きないようにすることです。簡単なことは、この事件と同じ状況があるのかどうか、そしてその時に同じ様なことしていないかどうかをチェックしてみる。
紐のついた服で介助していないかどうか、イヤリングやピアスをしていないかどうか、不穏な精神状態を無理して入浴させていないかどうか。浴室にあるナースコールは緊急時を伝える事ができます。緊急時を意識して介助しているかどうかなど
事故や虐待、不正の事例集を作っています。事例を読むだけでなく自分の事業所に当てはめてみる、確認をする習慣をつけるとそれがコンプライアンスに一つになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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事務所の名前とマークのフクロウは「福老」「不苦労」の漢字を当てられます。老いた方々に幸福を与えることができるような仕事をしたいと命名しました。
介護事業コンサルタントフクロウ 安部 浩行