こんにちは ハイパフォーマンスな介護事業所作りコンサルタント オフィスABU安部 浩行です。
最近、閲覧数が多いのが、以前書いた「厳しくなる住宅型有料老人ホームの実地指導」です。
これからは住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅をまとめて居住系施設で書かせていただきます。
正確に言いますと、厳しくなるのは居住系施設併設の介護サービス事業所の実地指導です。ここで、いくつかの注意点を紹介します。
私は、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの管理者及び併設のデイサービス管理者をしていたことがあります。
無論、実地指導も受けました。併設の居宅介護支援事業所の管理者としては実地指導と会計検査院の検査も受けました。
まずは、介護サービス事業所の分類に併設型の基準は存在しない。
デイサービスには、基準上併設型とかはありません。あくまでも単体のデイサービスで指導は行われます。訪問介護も同じことです。
しかし、併設している介護サービス事業所は施設感覚が強い、つまり居住系施設の一部と勘違いしていることがあります。
デイサービスや訪問介護の職員なのに、居住系施設の仕事もしている。組織図上の職員の兼務は問題ありませんが、勤務表ではきちんと分けなければいけません。
今自分が、どの事業所の職員として配置され仕事をしているのかをわかって行動しなければなりません。これは一人一人にシステムを理解させて徹底しておく必要があります。
それができていないとついついお互いの領域を超えて仕事をしてしまいます。境界線が無くなってしまって「なーなーの関係」に見えるそしてなっているのです。
例えば、訪問介護員として食堂で利用者の食事介助をしていたとします。その時向かい側で食事をしていた高齢者の方が「お茶ください」と言った場合どうしますか?
訪問介護員ですから、ケアプランでの対象利用者以外の対応はできませんので、施設職員がお茶をその方の入れるのを待ちます。これが、きちんとした線引きになります。
実際に私はこの件でご家族より苦情を言われたことがあります。「訪問介護での食事介助での時間は、自分の母の専属ではないのか」と他の入居者の方の配膳もしていたそうです。
これは、重要なことで厳守することです。実際に見て見ぬふりをする管理者をいますし、まるっきりわかっていない職員もいます。
まだ、理解していればいいのですが当たり前だと勘違いしているケースもあります。特に経営者に多く、ワークシェアリングみたいな言い方をしています。
「そのくらいは解らないどろう」が後で大変なことになります。なぜなら、不正が発覚する多くは、内部告発と利用者(家族)からの通報だからです。
行政の職員の方も苦情や通報については、「どんなに些細なことでも、とりあえず調査をしなければならない。」と言われています。これはあくまでも中立の立場です。
ただでさえ、居住系施設での介護サービスは不正の発生率が高いため職員配置や勤務表は厳しくチェックを受けます。
職員兼務の場合の勤務表は、日単位とか時間単位とか分けられて明記されており、その合算が労働基準法に違反をしていないこと。残業や休日出勤をしても常勤1名以上にはカウントされません。
社会福祉法人は施設と介護サービス事業所の会計区分をしているので兼務者は給与明細が事業所別になっていて何枚かになっています。営利法人も同様にすべきです。
笑えない話ですが、実地指導の時に指導官が現場で職員に所属を問うたところ答えを間違えるということ起こっています。
指導官が利用者に聞いてボロが出たこともあるようです。
居宅介護支援事業所のケアマネージャーも居住系施設のケアマネージャーみたいな感覚で事業所職員との関係を作ってしまっていることもあります。
ここは、1番注意しなければいけないところです。サービス事業所・老人ホームと居宅介護支援事業はお互いに独立しており監視しなければならないのです。
特に介護保険算定に関わる事項は、ケアマネージャーは厳しく対処しなければいけません。
同法人だけにより厳しい対応が必要です。怪しいものは給付管理で指摘しなければいけません。
PS:入居者の介護サービス事業所選択は自由です。
居宅介護支援事業所では、利用者の介護サービス事業所の選択を利用者サイドで決めてもらうようになっており指定をしたりはできません。
複数の介護サービス事業所を紹介し、決定した記録を署名入りで残さないといけません。
居住系施設は入居者の併設介護サービス事業所を利用することや介護計画は、居住系施設の意向に合わせる。これを条件に入居契約をすることはできません。
ですから、入居者や家族に選んでもらえる介護サービス事業所を作り・運営をすることにより、施設との連携により生活全般に安全と安心を提供できるようにしている証拠を残す必要があります。
次回は、第2回を掲載します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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